12月の時候の挨拶を紹介します。
12月はお歳暮、クリスマス、年末年始の準備などで誰もが忙しくなる時季です。
挨拶文には、一年間お世話になった感謝、相手の健康への気遣い、そして翌年の幸福を願う言葉などを入れてみてはいかがでしょうか。
12月の書き出しの挨拶
漢語調(ビジネスや改まった場面に)
漢語調の挨拶は改まった印象を与えるため、ビジネスレターや儀礼的な手紙に適しています。
12月いっぱい (上旬~下旬) | 師走の候(折、みぎり) 寒冷の候 歳末の候 歳晩の候 |
MEMO
「候」は「折」や「みぎり」に置き換えてもOK(例:「師走のみぎり」)和語調(私的な手紙などに)
主にプライベートな手紙で使う挨拶文です。ビジネスレターでも、親しみを込めたメッセージには和語調の挨拶がよく利用されています。
以下の例を参考に、自分で感じ取った季節感を表現してみましょう。
12月上旬~中旬の書き出しの挨拶
- 諸事ご繁多の折、ますますご精励のことと存じます。
- 年末に向け、何かとお忙しくお過ごしのことと存じます。
- 師走を迎え、ますますご活躍のこととお喜び申し上げます。
- 山々の美しい雪化粧に冬の訪れを感じるころとなりました。
- 心地よい冬晴れの続くこのごろ、お元気でお過ごしでしょうか。
- 寒気日増しに深まるこのごろ、変わらずご活躍のことと存じます。
- ジングルベルがそこここで聞かれる時節となりました。
- クリスマスのイルミネーションが華やかに街を彩る季節となりました。
- 暦の上では、はや大雪を迎えましたが、つつがなくお暮らしでしょうか。
- 各地より初霜の知らせが届くころとなりましたが、お健やかにお過ごしでしょうか。
- 街路樹も葉を落とし冬の訪れを感じるこのごろ、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 気持ちの良い冬日和が続く今日このごろ、ご清祥にお過ごしのことと拝察いたします。
- 白い息に冬の訪れが感じられるこのごろ、皆様にはつつがなくお過ごしのことと存じます。
- 夜空の月や星も冴えわたる冬を迎え、いよいよご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。
- 新雪が山々の頂を美しく覆うこのごろ、皆様にはいっそうご繁栄のこととお慶び申し上げます。
- 師走の声を聞き、気忙しいながらもこの一年を振り返っております。本年も大変お世話になりました。
12月下旬の書き出しの挨拶
- 迎春の準備に忙しい折柄、ご様子はいかがでしょうか。
- 師走も半ばを過ぎ、皆様にはいよいよご精励のことと存じます。
- 冬至も過ぎ、いよいよ年越しの準備にお忙しいことと存じます。
- 方々から雪の便りも届き、冷気に身の引き締まる季節となりました。
- 年内も余日わずかとなりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 年の暮れを迎え、皆様にはますますご発展のこととお慶び申し上げます。
- 師走の空に小雪の舞う日も増えてまいりましたが、皆様にはご健勝のことと存じます。
- 木枯らし吹きすさぶ季節となりましたが、お障りなくお過ごしでしょうか。
- 凍てつく北風の吹く季節を迎えましたが、風邪など召されずお元気でいらっしゃいますか。
- 年末とは思えないほど穏やかな陽気が続くこのごろ、お健やかにお過ごしのことと存じます。
- 年の瀬も押し迫り、何かと気ぜわしいころとなりましたが、ご健勝にお過ごしのことと拝察いたします。
12月の結びの挨拶
12月はいよいよ寒さが厳しくなるのに加え、年末の準備などで忙しい時季です。相手の健康を気遣い、翌年の幸福を願う言葉で手紙を締めくくるとよいでしょう。
12月上旬~中旬の結びの挨拶
- 師走のみぎり、貴社ますますのご発展をお祈りいたします。
- 歳晩の候、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
- 寒気厳しき折、お身体を大切になさってください。
- 心せわしい年の暮れを迎えましたが、どうかお身体をおいといください。
- 年末に向けご多忙のことと存じますが、どうかご自愛専一になさってください。
- 何かと気忙しい時期かと存じますが、体調を崩さぬよう、どうぞご自愛ください。
- 年末年始のご準備にお忙しいかとは存じますが、健康にはくれぐれもご留意ください。
12月下旬の結びの挨拶
- ご家族おそろいで、よき春をお迎えになられますようお祈り申し上げます。
- 来年も輝かしい年となりますよう、ますますのご発展をお祈りいたしております。
- 本年も残すところわずかとなりました。新しい年のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。
- 年の瀬を迎え、何かとお忙しいかと存じますが、どうぞお身体を大切になさってください。
- 本年もひとかたならぬご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。来年もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
- 本年も大変お世話になりました。皆様お健やかに、よいお年をお迎えください。
12月のカジュアルな時候の挨拶
よりカジュアルでやわらかい時候の挨拶は、以下のページに掲載しています。
12月のカジュアルな時候の挨拶|上旬~下旬の書き出しと結び|やわらかい表現
12月の挨拶文のキーワード
- 師走(しわす):旧暦12月の別称。「師匠(または法師=僧)も走るほど忙しい月」であることが由来と言われている。
- 大雪(たいせつ):二十四節気の1つで、新暦(太陽暦)の12月7日頃。山の峰は雪に覆われ、日本海側の地域では、平地にも大雪が降ることがある。
- 冬至(とうじ):二十四節気の1つで、新暦(太陽暦)の12月22日頃。一年中で昼が一番短く、夜が長い日。このころから寒さが本格化し始める。冬至の日には、ゆず湯に入り、かぼちゃを食べる風習がある。
- 木枯らし(こがらし):晩秋から初冬にかけて吹く強く冷たい風。
- 冬将軍(ふゆしょうぐん):冬の厳しい寒さを表す言葉。ナポレオンのロシア遠征が、厳しい冬の寒さのために失敗したことから。
- 光陰矢の如し(こういんやのごとし):月日のたつのは、矢の飛ぶように速く、二度と戻らないことを表す言葉。
挨拶は実際の季節感に合わせて
上に挙げた挨拶文の、上旬・中旬・下旬の区分は目安です。
メッセージを書くときは、その年の実際の天候や、相手の住む地域の気候などに合わせて言葉を選びましょう。
関連ページ
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