3月の時候の挨拶(季節の挨拶)|上旬~下旬の書き出しと結び|ビジネス~カジュアル

3月の手紙の書き出しと結びの慣用表現を紹介します。

寒さが緩み、本格的な春が訪れる3月は、学校の卒業式などで生活に変化が訪れる月でもあります。挨拶文では、桃の節句や桜の開花などの風物を織り込みながら、春らしい前向きなメッセージを伝えましょう。

3月の書き出しの挨拶

漢語調(ビジネスや改まった場面に)

漢語調の挨拶は改まった印象を与えるため、ビジネスレターや儀礼的な手紙に適しています。

上旬 早春の候
浅春の候
中旬~下旬 春分の候 ※3月21日頃
春暖の候
春陽の候
MEMO

「候」は「折」や「みぎり」に置き換えてもOK(例:「早春のみぎり」)

和語調(私的な手紙や学校のおたよりなどに)

和語調の挨拶文は、漢語調の言葉よりもやわらかい印象を与えます。以下の例を参考に、自分で感じ取った季節感を表現してみてもよいでしょう。

一般的な書き出しの挨拶

主にプライベートな手紙で使う挨拶文です。ビジネスレターでも、親しみを込めたメッセージには和語調の挨拶がよく利用されています。

上旬
  • 春まだ浅きこのごろですが、お障りなくお過ごしですか
  • 風に冷たさの残る浅春の折、ご清祥にお暮らしでしょうか
  • 梅の香りただよう春暖のみぎり、ますますご活躍のこととお慶び申し上げます
  • かぐわしい沈丁花の香りが春の訪れを告げるころとなりました
  • 桃のつぼみも膨らみ、いよいよ本格的な春が近づいてまいりました
  • 初節句を迎え、お子様の健やかなご成長を祝われたことと存じます
  • 桃の節句も過ぎ、風にも日差しにも春らしさの感じられるころとなりました
  • 寒暖定まらぬこのごろですが、お達者でお暮らしでしょうか
  • 春寒もようやく和らぎ、過ごしやすい季節となってまいりました
  • 一雨ごとに春めいてくるこのごろ、ますますご健勝のことと拝察いたします
  • 淡雪にも春の訪れを感じるこのごろ、皆様にはご清適のこととお慶び申し上げます
  • 暦の上では啓蟄を過ぎ、虫や草花の様子にも春の風情が感じられるころとなりました
中旬~下旬
  • 日ましに春めいてくるこのごろ、お健やかにお暮らしのことと存じます
  • 春光天地に満ちる好季節を迎え、貴社には一層ご隆盛のこととお慶び申し上げます
  • 吹く風にも春の爽やかさが感じられるこのごろ、皆様におかれましてはますますご活躍のことと存じます
  • うららかな春の日差しが心地よい今日このごろ、お元気でご活躍のことと拝察いたします
  • 暑さ寒さも彼岸までと申しますが、まだ肌寒い日の続くこのごろ、お元気でお過ごしでしょうか
  • 暑さ寒さも彼岸までと申しますとおり、ようやく穏やかな過ごしやすい季節を迎えました
  • 春雨の降り続くこのごろ、お変わりありませんでしょうか
  • 先日は思わぬ春の大雪となりましたが、お障りなくお過ごしでしょうか
  • 当地の頑固な根雪もようやく緩み、いよいよ春のきざしが感じられる時節となりました
  • 晴れ渡った弥生の空に、ひばりのさえずりが聞かれるころとなりました
  • 野山が若草色に染まり、そこここに早春の息吹を感じる季節となりました
  • 膨らむ桜のつぼみが春の到来を告げるこのごろ、ますますお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます
  • 花のつぼみの膨らみにも春色の深まりが感じられるこのごろ、皆様にはご清祥のことと拝察いたします
  • 桜前線北上中のこのごろ、御地ではすでに開花の声を聞かれましたでしょうか
  • 花の便りが聞かれるころとなりました

カジュアルな書き出しの挨拶

気心の知れた相手に送る手紙に適した挨拶文です。保育園・学校のおたよりや、メールの書き出しなどにもご利用ください。

上旬
  • ご家族で楽しいひな祭りを祝われたことと思います
  • 桃の節句も過ぎ、いよいよ春ですね。お元気でお過ごしですか
  • 寒さも緩み、本格的な春が近づいてきました。お元気でお過ごしですか
  • 桃のつぼみも膨らみ、だんだんと春めいてくるこのごろですが、お変わりありませんか
  • 公園で見かける桜のつぼみも日を追うごとに膨らんでいきます。今からお花見が楽しみですね
  • 寒かったり暖かかったりの日々ですが、風邪などひいていませんか
  • 受験も終わって、ほっと一息つかれているところでしょうか
  • 3月を迎え、お子様の卒業式の準備にお忙しくされていることと思います
  • 3月とはいえ、今年はいつも以上に肌寒いですね。お障りなくお過ごしですか
  • そちらでは春の大雪が降ったとのことですが、大丈夫でしたでしょうか
  • 3月に入り、コートがいらないほど暖かい日も増えてきましたね
  • 春一番が吹き、いよいよ暖かくなってきました
  • もうすぐホワイトデーですね。バレンタインのお返しの準備はできましたか
中旬~下旬
  • 近頃は日中汗ばむくらいのぽかぽか陽気の日も増えてきました
  • 心地よい春風が吹くこのごろ、みなさまお元気でお暮らしでしょうか
  • 春うらら。休みの日はついつい惰眠をむさぼってしまうこのごろでございます
  • 春らしいうららかな陽気が続くこのごろ、穏やかにお過ごしのことと思います
  • すっかり春めいて、スプリングコートもいらないほど暖かい日が増えてきましたね
  • そちらでは季節外れの雪が降ったようですが、寒さに負けずお元気でお過ごしでしょうか
  • 菜の花がかわいらしく風に揺れています。もう春ですね
  • 桜の開花ももうすぐ。楽しみですね
  • 桜前線も北上し、いよいよ春本番。お元気でお過ごしのことと思います
  • 暖かい地方からは桜の便りが聞かれるころとなりました。お花見が楽しみですね
  • お彼岸も過ぎ、いよいよ春めいてきましたね
  • こんにちは。受験も終わり、春休みを満喫していますか
  • 卒業式も終わり、のんびりと過ごされているころでしょうか
  • 卒業シーズンですね。はかま姿の女性を見かけると、大昔の自分の卒業式を思い浮かべてしまいます
  • お子さんの入学式のご準備にお忙しくされていることと思います。桜の見ごろと重なると良いですね

3月の結びの挨拶

寒さが緩み、春らしさがはっきりと感じられるようになる3月は、学校の卒業式、人事異動、転勤など、生活に大きな変化が訪れるときでもあります。

相手を気遣う言葉とともに、新生活を応援する気持ちや、新たな春への希望を込めたメッセージで手紙を締めくくりましょう。

上旬
  • 浅春の折、どうぞご自愛専一に
  • 春寒のみぎり、お身体を大切になさってください
  • 季節の変わり目ですので、お身体をおいといください
  • 春とはいえ朝晩はまだ冷え込みますので、お体には十分お気をつけください
  • 花時は天候が不安定になりがちなので、体調には気をつけてください
  • 年度末を控え何かと慌ただしくなりがちですが、どうかご自愛ください
  • 春からも変わらぬご厚誼を、なにとぞお願い申し上げます
  • 桜のつぼみも膨らみ、いよいよ春はすぐそこです。皆様のご多幸をお祈りいたしております
  • 春ととも皆様に幸せが訪れますようお祈りいたしております
  • 春風に乗って○○さんに幸せがやってきますように
  • 花便りももうすぐです。お元気でお過ごしください
  • 3月に入っても肌寒い日が続きますが、お互い体には気をつけましょう
中旬~下旬
  • 寒暖定まらぬ折から、お身体をおいといください
  • 天候不順の折から、ご健康にはくれぐれもご留意ください
  • 躍動の春に、皆様のますますのご活躍を心よりお祈りいたします
  • 春陽のみぎり、お健やかな日々を過ごされますようお祈りいたします
  • 春光うららかなこの季節に、皆様のご多幸をお祈りいたしております
  • 新天地でのさらなるご活躍をお祈りいたしております
  • ○○様が素晴らしき門出を迎えられますよう、心よりお祈り申し上げます
  • 春からの新生活がすばらしいものになりますように
  • 花冷えが続いているので、体調には気をつけてください
  • お花見楽しみにしてます!
  • よかったら、一緒にお花見にでも出かけたいですね。またご連絡します
  • 心地よくて、眠くなりがちなこの季節。お互い適度に気を引き締めていきましょう

3月の挨拶文のキーワード

3月の行事や暦に関する言葉

  • 啓蟄(けいちつ):二十四節気の1つで、新暦(太陽暦)の3月6日頃。冬ごもりをしていた虫が地上に出てくるころ。
  • 春分(春分の日):二十四節気の1つで、新暦(太陽暦)の3月21日頃。春の彼岸の中日に当たり、昼と夜の長さがほぼ同じになる。
  • 彼岸(ひがん):春分・秋分を中日として、その前後3日ずつを含む1週間。春の彼岸のころには寒さが、秋の彼岸には残暑が和らぐことが多いため「暑さ寒さも彼岸まで」と言われる。春の彼岸の入りは3月18日頃。
  • 初節句(はつぜっく):生まれて初めての節句。女の子は3月3日の上巳の節句(桃の節句)、男の子は5月5日の端午の節句に行う。
  • 雛祭り(ひなまつり):3月3日の上巳(じょうし)の節句に、女の子の健やかな成長を願って行われる行事。雛人形などをかざり、白酒・菱餠・桃の花などを供えて祭る。
  • 弥生(やよい):旧暦3月の別称。草木がいよいよ生い茂る月であることから、「いやおい」の音が詰まって「やよい」と言われるようになったとされる。

3月の天候や風物に関する言葉

  • 浅春(せんしゅん):まだ寒さの残る春のはじめのころ。早春。
  • 春寒(しゅんかん・はるさむ):春になっても残る寒さ。また、春になってからぶり返す寒さ。
  • 春光(しゅんこう):春の景色。また、暖かい春の日差し。
  • 春色(しゅんしょく):春の景色。春らしい風情。
  • 淡雪(あわゆき):地面にほとんど積もらず、すぐにとけていく消えやすい雪。春先の風物。
  • 根雪(ねゆき):降り積もって長い間とけない雪。とくに、冬の初めから春先まで解けずに地面を覆っている雪。
  • 桜前線:桜(ソメイヨシノ)の開花予想日が同じになる地点を結んだ線。3月下旬、九州から北上していき、5月上旬に北海道に至る。
  • 花便り:花(とくに桜)の咲いた様子を知らせるたより。現代では、桜の開花を知らせるニュースなども花便りにあたる。
  • 花冷え:桜の咲くころに寒さがもどって冷え込むこと。

実際の季節感を考慮する

上に挙げた時候の挨拶は便宜上、上旬・中旬・下旬に分けていますが、手紙を書く際には、その年の実際の天候や、送る相手の住む地域の気候なども考慮して言葉を選ぶとよいでしょう。

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