11月の時候の挨拶を紹介します。
11月は秋から冬にかけての季節の変わり目にあたります(立冬の前までが晩秋、それ以降が初冬)。
手紙の挨拶では、美しい紅葉の話題などとともに、相手の体を気遣う言葉を入れてみてはいかがでしょうか。
11月の書き出しの挨拶
漢語調(ビジネスや改まった場面に)
漢語調の挨拶は改まった印象を与えるため、ビジネスレターや儀礼的な手紙に適しています。
11月いっぱい | 向寒の候(折、みぎり) 深冷の候 |
上旬 ※主に立冬(11月8日頃)の前まで | 晩秋の候 深秋の候 暮秋の候 立冬の候 ※11月8日頃 |
中旬~下旬 ※立冬を過ぎてから | 初冬の候 小雪の候 ※11月22日頃 |
MEMO
「候」は「折」や「みぎり」に置き換えてもOK(例:「向寒のみぎり」)和語調(私的な手紙などに)
主にプライベートな手紙で使う挨拶文です。ビジネスレターでも、親しみを込めたメッセージには和語調の挨拶がよく利用されています。
以下の例を参考に、自分で感じ取った季節感を表現してみましょう。
11月上旬の書き出しの挨拶
- 晩秋を迎え、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 紅葉が一段と色を増す季節となりましたが、ご機嫌いかがでしょうか。
- おだやかな小春日和が続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。
- 菊の香りただよう霜月を迎えましたが、皆様にはますますご清栄のことと存じます。
- 木々の葉が見事に色づく錦繍の秋を迎え、いよいよご隆盛のことと心よりお慶び申し上げます。
- 秋も深まり、すっかり日足が短くなりましたが、皆様には変わらずご活躍のことと存じます。
- 暮秋とはいえ心地よい秋晴れの日が続くこのごろ、お健やかにお過ごしのことと拝察いたします。
- 美しく風に舞う木の葉に秋の深まりを感じるこのごろですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 晩秋の冷気が肌に心地よく感じられるこのごろ、いよいよご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。
- 暦の上では立冬を迎えましたが、穏やかな好天気が続いております。
11月中旬~下旬の書き出しの挨拶
- 陽だまりの恋しい季節となりました。
- 山々もうっすらと雪化粧を始め、冬の訪れを感じるころとなりました。
- 北国からは雪の便りも届き、冷気に身の引き締まる季節となりました。
- 初霜の知らせを耳にするころとなりましたが、お健やかにお過ごしでしょうか。
- イチョウの葉が鮮やかに色づき、金色のじゅうたんを敷き詰める季節を迎えました。
- 落ち葉が風に舞う季節を迎え、気づけば日足もすっかり短くなりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 色づく落ち葉が錦の絨毯のように地面を覆うこのごろ、皆様にはいっそうご繁栄のこととお慶び申し上げます。
- 冷気が一段と深まり冬の訪れを感じる今日このごろ、お障りなくお過ごしでしょうか。
- 師走も近づき、冬支度にお忙しい時季かと存じますが、お変わりありませんでしょうか。
- ときおり吹く木枯らしに、駆け足でやってくる冬の気配を感じるこのごろ、いかがお過ごしでしょうか。
- 虫の音も日ごとに大人しくなり、忍び寄る冬の気配が感じられるこのごろ、お障りなくお過ごしでしょうか。
- 吐く息も白くなり、冬の到来が間近に感じられるこのごろ、皆様にはつつがなくお過ごしのことと存じます。
11月の結びの挨拶
11月は年末に向けてだんだんと寒さが厳しくなってくる時季です。相手の健康を願う言葉で手紙を締めくくるとよいでしょう。
11月上旬の結びの挨拶
- 秋冷の候、体調を崩さぬよう、どうぞご自愛ください。
- 寒さも厳しくなってくる頃ですので、お体をおいといください。
- 秋晴れの折、貴社ますますのご発展をお祈りいたします。
- 小春日和が続くこのごろ、どうぞお健やかにお過ごしください。
- 黄葉の鮮やかな時節に、皆様のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
- 天候不順の折柄、お身体にはくれぐれもお気をつけください。
11月中旬~下旬の結びの挨拶
- 向寒の折、どうぞお身体をおいといください。
- 空気も乾燥してまいりましたので、体調管理にご留意くださいませ。
- 寒さの厳しい折柄、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
- 朝晩の冷え込みが厳しいこの季節、健康にはくれぐれもご留意ください。
- 年末に向けてお忙しいかと存じますが、お身体を大切になさってください。
- 秋も深まり、冬の足音が近づいてまいりました。ご健康には十分お気をつけください。
- 年の瀬が近づいております。お忙しい時期かと存じますが、ご健勝をお祈りいたします。
- 木枯らしの季節となりました。体調を崩さぬよう、どうかご自愛専一になさってください。
11月のカジュアルな時候の挨拶
よりカジュアルでやわらかい時候の挨拶は、以下のページに掲載しています。
11月のカジュアルな時候の挨拶|上旬~下旬の書き出しと結び|やわらかい表現
11月の挨拶文のキーワード
- 立冬(りっとう):二十四節気の1つで、新暦(太陽暦)の11月8日頃。
- 小雪(しょうせつ):二十四節気の1つで、新暦(太陽暦)の11月22日頃。市街地の雪や寒さはまだ本格的ではないが、冬が近づいていることを感じさせる時季。
- 小春日和(こはるびより):晩秋から初冬のころの、暖かくて穏やかな天気。小春は陰暦の10月(現在の11月ごろ)の別称。
- 錦繍(きんしゅう):紅葉や花などの美しさを表す言葉。錦繍とは、錦(にしき)と刺繍(ししゅう)をほどした織物、美しい織物のこと。
- 木枯らし(こがらし):晩秋から初冬にかけて吹く強く冷たい風。
- 霜枯れ(しもがれ):草木が霜のために枯れること。また、その時季。
挨拶は実際の季節感に合わせて
上に挙げた挨拶文の、上旬・中旬・下旬の区分は目安です。
メッセージを書くときは、その年の実際の天候や、相手の住む地域の気候などに合わせて言葉を選びましょう。
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