山桜

やまざくら
晩春 5音 植物

傍題(子季語)

犬桜 (いぬざくら) 5音 吉野桜 (よしのざくら) 6音

解説

山桜は日本に昔から自生する桜です。古くから詩歌に詠まれてきた「桜」の多くは山桜で、ソメイヨシノが広まる以前は、桜といえば山桜のことでした。

花が先に咲くソメイヨシノと異なり、山桜は花と同時に若葉も開きます。葉の色は赤みを帯びていて、白っぽい花と相まって独特の華やかさを見せます。奈良の吉野山はとりわけ山桜の名所としてよく知られています。

俳句では、桜の一品種としてのヤマザクラというよりも、野山に咲く桜という意味で「山桜」と言っていることも多いでしょう。山桜という言葉には「桜」よりも力強さが感じられます。

例句

  • 花の中太き一樹は山ざくら

    — 桂信子

  • 晩年の父母あかつきの山ざくら

    — 飯田龍太

  • 山又山山桜又山桜

    — 阿波野青畝