むし
三秋 2音 動物

傍題(子季語)

鳴く虫 (なくむし) 4音 虫聞 (むしきき) 4音 虫鳴く (むしなく) 4音 虫の音 (むしのね) 4音 残る虫 (のこるむし) 5音 昼の虫 (ひるのむし) 5音 虫時雨 (むししぐれ) 5音 虫すだく (むしすだく) 5音 虫の秋 (むしのあき) 5音 虫の声 (むしのこえ) 5音 虫の闇 (むしのやみ) 5音

解説

「虫」は秋の夜に鳴く虫たちを表す季語です。とくに「虫の声」「虫の音」などと言わなくても、その澄んだ鳴き声が意識され、秋らしい物悲しさや涼やかさを感じさせます。

「虫すだく」は「虫集く」、つまり虫が集まるという意味ですが、虫が集まって鳴くさまを表す季語として使われています。「虫時雨」は数多くの虫が一斉に鳴く声を時雨にたとえた言葉です。こちらのほうが虫そのものの存在が希薄になり、音の印象がいっそう強くなります。

例句

  • 行水(ぎょうずい)の捨てどころなき虫の声

    — 鬼貫

  • 其中(そのなか)に金鈴(きんれい)をふる虫一つ

    — 高浜虚子

  • 雨音のかむさりにけり虫の宿

    — 松本たかし

  • 鳴く虫のたゞしく置ける間なりけり

    — 久保田万太郎

  • 或る闇は蟲の形をして哭けり

    — 河原枇杷男

  • 母と寝る一夜ゆたかに虫の声

    — 栗生純夫

  • 父通り過ぎたるこの世虫時雨

    — 小檜山繁子