帰り花

かえりばな (旧仮名:かへりばな)
初冬 5音 植物

傍題(子季語)

二度咲 (にどざき) 4音 帰咲 (かえりざき) 5音 返り花 (かえりばな) 5音 狂咲 (くるいざき) 5音 狂花 (くるいばな) 5音 忘咲 (わすれざき) 5音 忘花 (わすればな) 5音

解説

帰り花は冬の初め頃、小春日和に誘われて咲く季節外れの花です。周囲の植物が枯れていく中で、一輪二輪の時ならぬ花が咲いている。その様子は、冬の冷たい風の中にあって、そこにだけ明るさや暖かみが戻ったようで自然と人目を引きます。

一般に、ただ「帰り花」というと桜の花のことを指すため、ほかの花を詠む場合には植物名を入れるなどして、読者に情景が伝わるようにするとよいでしょう。

例句

  • 凩(こがらし)に匂ひやつけし帰花

    — 芭蕉

  • 二三日ちらでゐにけりかへり花

    — 太祇

  • 日に消えて又現れぬ帰り花

    — 高浜虚子

  • 薄日とは美しきもの帰り花

    — 後藤夜半

  • 約束のごとくに二つ返り花

    — 倉田紘文

  • 人の世に花を絶やさず返り花

    — 鷹羽狩行

  • 梨棚や潰えむとして返り花

    — 水原秋櫻子

  • 返り花きらりと人を引きとどめ

    — 皆吉爽雨

  • 返り花三年教へし書にはさむ

    — 中村草田男

  • 返り花咲けば小さな山のこゑ

    — 飯田龍太