英文ビジネスメールの基本的な書き方を解説します。
英語のメールでは、ファーストネームで相手に呼びかけ、前置きなく用件に入るなど、日本語の場合と比べて簡潔でフレンドリーな書き方が好まれます。
英語が得意でなくても、シンプルに言いたいことが伝わる基本構成と、使える定番フレーズをおさえていきましょう。
英語メールの基本構成
まずは例文を参考に、英文メールの基本構成をおさえましょう。
件名の書き方
メールのおおまかな用件や目的が分かりやすく相手に伝わるよう心がけます。
受信者は件名によってメールの重要度を判断することが多いため、簡潔で具体的な言葉を選びましょう。冠詞(”a”や”the”)は、省ける場合は書かなくても問題ありません。
- Thank you for your invitation(ご招待ありがとうございます)
- Question about business expansion meeting(事業拡大会議についての質問)
- Inquiry about your product(貴社製品についての問い合わせ)
- Meeting cancellation: Friday 11am(金曜11時の会議中止)
- Change of reservation(予約の変更)
- Request for new project(新プロジェクトの依頼)
- Wedding invitation(結婚式への招待)
本文の書き方
宛名(冒頭の挨拶)
書き出しの挨拶です。英文メールは一般に、”Dear Bob,”や”Hi Mary,”といった呼びかけから始まります。
以下にカジュアルな呼びかけから、フォーマルなものまで例を挙げます。
いずれの場合も、同じ相手とのやり取りが何度も続くときには、2回目以降はカジュアルな呼びかけにしていくのが一般的です。また、返信メールでは宛名自体を省いて本文を書き始めることもあります。
カジュアルな宛名の書き方
“Hi (Hello) ファーストネーム,”といったかたちの呼びかけで、親しい相手へのメールによく使われます。
英語のビジネスメールでは、初めての相手に対してもファーストネームで呼びかけることが珍しくありません。逆に、呼びかけに姓を使い続けると、相手に距離を感じさせてしまう恐れもあります。
- Hi Alice,
- Hello Mike,
セミフォーマルな宛名の書き方
書き出しに迷うときには、以下のようなセミフォーマルな呼びかけ(”Dear ファーストネーム,”)から始めて、相手の返信などを見ながら徐々にカジュアルにしていくのもよいでしょう。
- Dear Anne,
- Dear John,
フォーマルな宛名の書き方
面識の薄い相手への初めてのメールや、フォーマルなシーンで使われる呼びかけで、”Dear 敬称 相手の姓,”というかたちが一般的です。
- Dear Ms. Brown,
- Dear Mr. Smith,
メール本文の書き出し
英語のビジネスメールの書き出しには「お疲れ様です」「いつもお世話になっております」に当たるような定型の挨拶は不要です。
いきなり用件を書き始めても問題ありませんが、ワンクッション置きたい場合には、以下のようなフレーズから書き始めてもよいでしょう。
- I hope things are well with you.(お元気のことと存じます)
ただし、その場合も冒頭の挨拶は簡潔にして、早めに本題に入るようにしましょう。
用件と関係のない挨拶を書き連ねて読み手の時間を奪ってしまっては、相手に悪い印象を与えかねません。
本文のスタイル
英語のメールは行頭でインデント(字下げ)せず、パラグラフ(段落)の間を一行ずつ空けるスタイル(block style)で書くのが一般的です。
そのメールで何を知らせたいのか、相手に何をしてほしいのかを明確にして、要点(結論)ができるだけ早く、簡潔に相手に伝わるように心がけましょう。
結辞(結びの挨拶)
メールの末尾に記す締めくくりの挨拶です。
セミフォーマルな結び
ビジネスメールでよく使われるセミフォーマルな結辞からご紹介します。
- Best regards,
- Kind regards,
- Thank you,
- Best wishes,
カジュアルな結び
よくやり取りする相手や、親しい相手には以下のような結辞を使ってもよいでしょう。
- Best,
- Regards,
- Thanks,
フォーマルな結び
比較的フォーマルな印象を与える結辞です。
- Best regards,(セミフォーマルにも利用可)
- Sincerely,
署名の書き方
署名は自動で挿入されるように設定することが多いでしょう。
冒頭の例のように、住所や電話番号を省いたシンプルな署名を使う人も少なくありません。
住所を記載する場合、日本語とは基本的に逆の順番になります。海外から日本への電話を受けるなら、電話番号に国番号「+81」をつけて記載してもよいでしょう。
項目 | 英語 | 日本語 |
---|---|---|
氏名・役職・社名 | Shota Suzuki Sales Manager, ABC Corporation | ABC社 営業部長 鈴木 翔太 |
住所 | Mid Tower 15F, 1-2-3 Hon-cho, Chuo-ku, Tokyo 456-7890, Japan | 〒456-7890 東京都中央区本町1-2-3 ミッドタワー15階 |
電話番号 | +81-3-1234-5678 | 03-1234-5678 |
英語ビジネスメールに役立つフレーズ集
最後に、日本語のビジネスメールでよく使われるフレーズを英語らしく表現する方法を見ていきましょう。
「お世話になっております」にあたる英語表現
英語では「いつもお世話になっております」に直接対応するような定型表現はありません。
多くの場合は前置きなく用件に入っても問題ありませんが、メールの冒頭に何か挨拶を入れたい場合には、以下のような表現を使ってもよいでしょう。「お元気のことと存じます」といった意味のフレーズです。
- I hope things are well with you.
- I hope this email finds you well.
「よろしくお願いします」にあたる英語表現
日本語の「よろしくお願いします」にあたる表現としては、「~を楽しみにしている」を意味する”I (we) look forward to ~”が便利です。
以下は「ご一緒にお仕事させていただけるのを楽しみにしています」つまり、「これからよろしくお願いします」という意味を持つ定番表現です。
- I’m looking forward to working with you.
- I look forward to doing business with you.
「~していただけると幸いです」にあたる英語表現
相手に何かを依頼するときには、”I (we) would appreciate it if ~”や、”It would be great if ~”などの表現が役立つでしょう。前者の方がていねいな印象を与えます。
- We would appreciate it if you could sign and return this contract by April 10.(4月10日までにこの契約書にご署名の上、ご返送いただければ幸甚です)
- It would be great if you could answer by Friday.(金曜日までにご返答いただけると助かります)
「何かあればご連絡ください」にあたる英語表現
「何かあればお知らせください」と伝えたいなら、”please let me (us) know if ~”などのフレーズが定番です。
- Please let us know if there is any way we can help you.(何かできることがありましたら、お知らせください)
- Please do not hesitate to contact me if you have any questions.(ご質問がありましたら、いつでもご連絡ください)