猫の恋

ねこのこい (旧仮名:ねこのこひ)
初春 5音 動物

傍題(子季語)

恋猫 (こいねこ) 4音 浮かれ猫 (うかれねこ) 5音 通う猫 (かようねこ) 5音 戯れ猫 (たわれねこ) 5音 猫さかる (ねこさかる) 5音 猫の妻 (ねこのつま) 5音 猫の夫 (ねこのつま) 5音 孕み猫 (はらみねこ) 5音 春の猫 (はるのねこ) 5音 猫の契 (ねこのちぎり) 6音

解説

猫の恋は発情期を迎えた早春の猫を表す言葉です。恋に身をやつす猫たちのおかしみとあわれさが、この季語の本意です。

発情期の雄猫は雌を求めて昼も夜もさまよい、切なく奇妙な声で鳴いたかと思うと、ときには全身の毛を逆立てて激しく争います。しばらく姿を見せなかった飼い猫が、やがて傷つき汚れて帰ってくる。そんな姿に人の恋の切なさや滑稽さも重なります。

例句

  • 猫の恋やむとき閨の朧月

    — 芭蕉

  • 麦めしにやつるゝ恋か猫の妻

    — 芭蕉

  • 羽二重の膝に飽きてや猫の恋

    — 支考

  • 猫の恋初手から鳴きて哀れなり

    — 野坡

  • 菜の花にまぶれて来たり猫の恋

    — 一茶

  • 山国の暗(やみ)すさまじや猫の恋

    — 原石鼎

  • 声たてぬ時がわかれぞ猫の恋

    — 千代女

  • 恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく

    — 加藤楸邨

  • 恋猫の恋する猫で押し通す

    — 永田耕衣

  • 恋猫の身も世もあらず啼きにけり

    — 安住敦

  • 恋猫やからくれなゐの紐をひき

    — 松本たかし

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