時鳥

ほととぎす
三夏 5音 動物

傍題(子季語)

妹背鳥 (いもせどり) 5音 卯月鳥 (うづきどり) 5音 沓手鳥 (くつてどり) 5音 田長鳥 (たおさどり) 5音 杜鵑 (ほととぎす) 5音 子規 (ほととぎす) 5音 不如帰 (ほととぎす) 5音 蜀魂 (ほととぎす) 5音 初時鳥 (はつほととぎす) 7音

解説

時鳥は夏を告げる鳥。5月ごろ南から渡ってきて、甲高く張りのある声で昼も夜も鳴きます。その年に聞く最初の声を「初音」と呼び、人々はこれを待ちわびてきました。本格的に鳴き始める前のひそやかな鳴き声は「忍び音」と呼ばれます。

大切なのは、時鳥が姿ではなく「声」を愛でる鳥であること。そして、初音を待つ鳥だということです。こうした聴覚に訴える季語は、視覚など他の要素を持つ言葉とうまく取り合わせると、時間的・空間的に広がりのある句を作ることができます。

例句

  • 谺して山ほととぎすほしいまゝ

    — 杉田久女

    【解説】英彦山(福岡・大分県境の霊山)での句。山々に谺(こだま)する時鳥の鳴き声。その声が「ほしいまま」にする、青々とした雄大な霊山の様子や、広い空、澄んだ空気までも想像させるような力強い一句。

  • ほととぎす大竹藪を漏る月夜

    — 芭蕉

  • 野を横に馬牽き向けよほととぎす

    — 芭蕉

  • 京にても京なつかしやほととぎす

    — 芭蕉

  • ほととぎす平安城を筋違(すじかい)に

    — 蕪村

  • ほととぎす鳴くや湖水のささにごり

    — 丈草

  • 井戸水にくもる庖丁ほととぎす

    — 山下知津子