蜻蛉

とんぼ
三秋 3音 動物

傍題(子季語)

あきつ (あきつ) 3音 やんま (やんま) 3音 蜻蛉 (せいれい) 4音 蜻蛉 (とんぼう) 4音 赤蜻蛉 (あかとんぼ) 5音 鬼やんま (おにやんま) 5音 塩辛蜻蛉 (しおからとんぼ) 7音 精霊蜻蛉 (しょうりょうとんぼ) 7音 麦稈蜻蛉 (むぎわらとんぼ) 7音

解説

蜻蛉は春の終わり頃からさまざまな種類が見られますが、俳句で単に「蜻蛉」といえば秋の季語となります。「とんぼう」(あるいは「せいれい」)と読むこともあり、とくに上五に置く場合には、「蜻蛉や」などのかたちでこの読み方が多く使われます。

トンボ目に属する昆虫の総称で、細長く伸びた体に、二対の透き通った羽を持ち、頭部には大きな複眼があります。

傍題の「あきつ」(秋津)は蜻蛉の古い言い方です。「やんま」は大型の蜻蛉を指します。「鬼やんま」は日本の蜻蛉では最大の種です。「赤蜻蛉」は腹部が赤や橙色っぽいものの総称で、夏から秋にかけて多く見られます。

「塩辛蜻蛉」は晩春からほぼ全国で見られる種で、成熟した雄は腹部が青みがかった灰色です。一方、雌はむぎわらのような黄褐色なので「麦稈蜻蛉」と呼ばれます。「精霊蜻蛉」はお盆の頃に表れる蜻蛉の俗称です。

なお、「糸蜻蛉」や「川蜻蛉」は夏の季語として区別されます。

例句

  • 蜻蛉やとりつきかねし草の上

    — 芭蕉

  • 蜻蛉や日は入りながら鳰(にお)のうみ

    — 惟然

  • 行く水におのが影追ふ蜻蛉かな

    — 千代女

  • とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな

    — 中村汀女

  • 蜻蛉行くうしろ姿の大きさよ

    — 中村草田男

  • 蜻蛉に空のさざなみあるごとし

    — 佐々木有風

  • いくもどりつばさそよがすあきつかな

    — 飯田蛇笏

  • 赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり

    — 正岡子規

  • 赤とんぼ夕暮はまだ先のこと

    — 星野高士