螇蚸

ばった (旧仮名:ばつた)
初秋 3音 動物

傍題(子季語)

飛蝗 (ばった) 3音 きちきち (きちきち) 4音 蟿螽 (はたはた) 4音 殿様ばった (とのさまばった) 7音

解説

バッタは草原などにすむ昆虫で、飛ぶときに鳴らす羽の音から「きちきち」、「はたはた」などとも呼ばれます。優れた跳躍力・飛翔力が特徴で、高く飛ぶさまや、そのときに発する音が多くの句に詠まれています。

バッタ科とその近縁の科の昆虫の総称で、日本には「殿様バッタ」、「精霊バッタ」などがいます。生息環境に合わせた淡い緑色や褐色の細長い体に、跳躍に適した太く長い後ろ脚を持ちます。

この季語は歳時記によって初秋、または三秋に分類されています。

例句

  • しづかなる力満ちゆき螇蚸とぶ

    — 加藤楸邨

  • 寂しさの極みに青き螇蚸とぶ

    — 橋本多佳子

  • ばつた翔つ弧の入りまじる中をゆく

    — 八木絵馬

  • ばつた跳ね島の端なること知らず

    — 津田清子

  • はたはたや退路絶たれて道初まる

    — 中村草田男

  • はたはたはわぎもが肩を越えゆけり

    — 山口誓子

  • はたはたの脚美しく止りたり

    — 後藤比奈夫

  • はたはたのをりをり飛べる野のひかり

    — 篠田悌二郎

  • きちきちといはねばとべぬあはれなり

    — 富安風生